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HSホールディングス(8699)の
株主価値向上に向けて
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本ウェブサイトの運営会社は、株式会社ナナホシマネジメント(以下「弊社」といいます。)です。
本ウェブサイトは、HSホールディングス株式会社(以下「HS」といいます。)の株主を対象としたキャンペーンサイトです。
最近の対話状況
2025年5月21日、西村あさひ法律事務所高木智宏弁護士宛てに書簡を送付しました
内容:2025年5月19日付回答書に対する返答
2025年5月19日、西村あさひ法律事務所高木智宏弁護士宛てに書簡を送付しました
内容:HSホールディングス株式会社訪問時に同席された同弁護士の発言に対する弊社の見解
2025年4月15日、代表取締役社長宛てに書簡を送付しました
内容:面談のフォローアップおよび株主価値向上に向けた施策に関して
本ウェブサイトのコンテンツ
著しく低い株価の評価と資本のねじれ
株価がディスカウントで評価される要因の考察
不透明な関連当事者取引
- 筆頭株主のファンド運営者が運用する別ファンドへの利率2%未満の貸付け20億円
- 筆頭株主のファンドへの資金提供者が代表取締役を務める債務超過の会社への優先出資5億円
- 筆頭株主のファンド運営者の代表取締役およびファンド運営者が運用する別ファンドからの株式取得合計165億円
資本コストの観点を踏まえた中期経営計画策定の必要性
株式会社の目的と上場要否の再検討の必要性
弊社が考えるHSの課題と解決策
(補足:本ウェブサイトにおいて、特に記載のない限り、株価及び時価総額は2025年4月28日終値、財務データは2024年12月末現在。)
関連当事者取引の全体図
(服部純一氏が資金提供)
著しく低い株価の評価と資本のねじれ
資料1のとおり、HSの株価を一株純資産で割って算定したPBR(株価純資産倍率)は0.35倍であり、この水準は著しく低い評価であるといえます。また、ハーン銀行とはHSが議決権の49.77%を保有するモンゴル市場上場の銀行です。HSの時価総額387億円に対し、HSが保有するハーン銀行株式の時価は411億円です。このように保有資産が自社の時価総額を上回ることを、資本のねじれと呼びます。
資料2のとおり、ハーン銀行はHSの業績の約9割を占めています。また、HSは「連結ベースでROE10%以上を安定的に維持していくことを中期的な経営目標」として公表していますが、ハーン銀行のROEは当該目標を超過した高水準を維持しています。HSはハーン銀行から生まれる収益を更に高いリターンの投資に振り向けるか、そうでなければ株主に還元することが期待されます。
資料1:ディスカウントして評価されるHSの株価
PBRは0.35倍と評価され、HSの時価総額よりもHSが保有するハーン銀行株式の時価の方が大きいという歪な状況。
(補足:ハーン銀行の時価情報についてはモンゴル証券取引所のデータを参照しています。為替レートは、 1円=24.8トゥグルグを使用しています。)
資料2:ハーン銀行の状況
ハーン銀行がHSの利益の約9割を占め、ROEは高水準となっている。
HSの経常利益に占める割合
(補足:弊社推計。換算レートは、HS決算説明資料の期中平均値(1円 = 22.54トゥグルグ、1ルーブル = 1.68円)を使用。)
株価がディスカウントで評価される要因の考察
資料3に示されているように、ROE(自己資本利益率)と株主資本コストの関係から株価を評価する方法のひとつに「エクイティスプレッド」という考え方があります。エクイティスプレッドにはさまざまな形がありますが、資料3では「ある水準の資本効率性(以下「実績ROE」といいます。)で得られた利益が、同じ水準のリターンの事業に再投資される」という前提に基づいています。
そのため、もし得られた利益が、実績ROEを上回る高いリターンが見込める事業に再投資されるのであれば、PBR(株価純資産倍率)は1倍を超えることになります。
資料4にあるように、HSのROEは中長期の経営目標である10%以上を維持しており、一般的に見て低い水準ではありません。この点、もしHSの株主資本コストが10%と仮定すると、PBR(株価純資産倍率)は1倍以上になるはずです。しかし、株式市場ではPBRが0.35倍と、1倍を大きく下回る水準で評価されています。
これは、HSが今後、実績ROEよりもリターンの低い投資しか行わないと市場が予想しており、将来的にROEが下がると見られているため、PBRが1倍を下回っていると考えられます。
なお、HSの自己株式は、発行済株式総数の27%に達しています。このように多くの自己株式を保有している状況において、現在のように割安な株価で自己株式を買収の対価として使えば、大きな希薄化が生じ、株価に悪影響を及ぼします。そのため、自己株式は速やかに消却することが望まれます。
資料3:エクイティスプレッド式の考え方
ROEと株主資本コストが同水準であればPBRは1倍で評価される。
エクイティスプレッド式
PBRが1倍以上となるイメージ
(株主資本コスト10%の前提)] -->| | B(株主資本コスト
以上の投資) A -->| | C(株主還元) B --> D[期待リターン
例:12%] C --> E[株主資本コスト
10%]
資料4:HSのROEの状況とPBR1倍割れの評価のイメージ
現時点のROEが高くても、将来のROEが低下するとみなされればPBRは1倍を下回る。
HSのROEの状況
PBR1倍にならない要因のイメージ
(株主資本コスト10%の前提)] -->| | B(株主資本コスト未満の投資) B --> D[期待リターン
例:2%] D --> E[将来のROE↓
(<株主資本コストの前提)]
筆頭株主のファンド運営者が運用する別ファンドへの利率2%未満の貸付け20億円および
筆頭株主のファンドへの資金提供者運営会社への優先出資5億円
資料5によると、HSは2024年3月期に、META Capital株式会社(以下「META Capital」といいます。)が運営するシグマ投資事業有限責任組合に20億円を貸し付けています。この貸付けで得た利息収入は年間で約2,800万円で、利回りにすると約1.4%です。これは資本コストを大きく下回っており、取引の妥当性に疑義があります。
資料6では、HSが2023年3月期に、HSの取締役である服部純一氏が代表取締役を務めている株式会社WAYO-EARTHに5億円を出資したことが示されています。しかし、同社はすでに債務超過で、財務的に厳しい状況でした。さらに、服部氏は、META Capital(ウプシロン投資事業有限責任組合)によるHS前身企業の買収の際に資金を提供した人物とも報道されています。そして、実際に服部氏は自身のホームページに「HSホールディングス株式会社は、2022年現在、株式会社和陽代表取締役会長の服部純一が筆頭株主である持ち株会社です。」と記載しています(株主名簿上はウプシロン投資事業有限責任組合が筆頭株主です。)。このような人物が代表取締役を務める経営不振の会社に、HSが多額の出資をするのは不自然であり、取引の妥当性に重大な疑義があります。
資料5:シグマ投資事業有限責任組合への貸付け20億円
税所氏が関与する会社間で貸付けが行われた。
20億円| F J -.-|代表取締役| E J -.-|取締役| C %% スタイル設定 class C hs; classDef hs fill:#7B1113,stroke:none,color:#fff; class F,E,J blue; classDef blue fill:#E5FBF8,stroke:none,color:#000;
資料6:株式会社WAYO-EARTHへの優先出資5億円
服部氏が関与する会社間で優先出資が行われた。
5億円| B A -->|資金提供| D D -->|筆頭株主| C %% スタイル定義(元に準拠) class A,B gray; class D blue; class C hs; classDef gray fill:#FFE5F1,stroke:none,color:#000; classDef blue fill:#E5FBF8,stroke:none,color:#000; classDef hs fill:#7B1113,stroke:none,color:#fff;
筆頭株主のファンド運営者の代表取締役およびファンド運営者が運用する別ファンドからの株式取得合計165億円
資料7のとおり、HSは2023年3月期に、META Capitalが関与する関係者らから株式会社STAYGOLDを合計130億円で買収しましたが、同社の買収直前の純資産は約10億円であり、買収価額はその13倍を超える水準でした。なお、HSは買収前に株式会社STAYGOLDに30億円の貸付けも行っています。買収後には業績が悪化した結果、連結ベースで営業損失が発生しており、取引の妥当性には資本コストの観点から疑義があります。また、税所氏は、HSが株式会社STAYGOLDの株式の49%を取得した後に個人として別会社から残りの51%を取得し、その約1か月後に当該取得分全てをHSに売却しています。このような経緯に照らして、この取引自体が不自然であるといえます。
また、資料8のように、HSは2025年4月、同じくMETA Capitalが運営するファイ投資事業有限責任組合から、直近の純資産が約4億円で赤字状態の株式会社PRICING DATAを35億円で買収しました。なお、同社と株式会社STAYGOLDの業務提携が発表された2025年3月10日からわずか1か月後の出来事でした。買収価額は純資産の約9倍の水準で、将来の利益の見通しと現状との乖離も大きく、こちらも資本コストを踏まえた妥当性に強い疑義があります。
株式会社STAYGOLD | 株式会社PRICING DATA | |||
---|---|---|---|---|
買収前 | 買収後 | 買収前 | 見通し | |
純資産 | 9.75億円 | - | 3.9億円 | - |
営業利益 | 8.12億円 | 5.51億円 | 営業損失 | 7〜8億円 |
買収価額 | 130億円 | - | 35億円 | - |
買収価額/ 純資産倍率 |
約13倍 | - | 約9倍 | - |
連結ベース | - | 営業損失 | - | - |
資料7:株式会社STAYGOLDの株式取得130億円
税所篤氏が保有していたSTAYGOLD社株式をHSが買い取った。
130億円| I J -.-|株式保有| I E -.-|無限責任組合員| G J -.-|代表取締役| E J -.-|取締役| C %% スタイル定義 class C hs; classDef hs fill:#7B1113,stroke:none,color:#fff; class E,G,J blue; classDef blue fill:#E5FBF8,stroke:none,color:#000; class I transparent-border; classDef transparent-border fill:transparent,stroke:#000,stroke-width:2px,color:#000;
資料8:株式会社PRICING DATAの株式取得35億円
税所篤氏が関与する会社間で取引が行われた。
35億円| K E -.-|無限責任組合員| H J -.-|代表取締役| E J -.-|取締役| C %% スタイル定義 class C hs; classDef hs fill:#7B1113,stroke:none,color:#fff; class E,H,J blue; classDef blue fill:#E5FBF8,stroke:none,color:#000; class K transparent-border; classDef transparent-border fill:transparent,stroke:#000,stroke-width:2px,color:#000;
定款に関連当事者取引に関する特則を追加すべき根拠
「関連当事者取引」とは、会社と特別な関係にある相手との取引のことを指します。資料9で指摘されているように、こうした取引では、会社にとって不要な取引を強いられたり、取引条件が不当に歪められたりするおそれがあります。
そのため、関連当事者取引では、取引が合理的かどうか、価格を含めた条件が適切かどうかをきちんと確認し、会社の利益が損なわれないようにする必要があります。これは企業経営の健全性を守るために重要です。
経営判断は本来、すべて資本コストの観点から妥当性が検証されるべきですが、HSにおいては不透明な関連当事者取引が繰り返されていることから、こうした取引に対する透明性を高める仕組みが必要です。具体的には、関連当事者取引に関する透明性の確保を定款に明記し、株主による監視を可能にすることが重要だと考えます。
資料9:関連当事者取引に関する懸念点の解説
株式会社東京証券取引所は、規律を欠いた関連当事者取引を容認していない。
関連当事者等との取引は、申請会社の企業グループと特別な関係を有する相手との取引であるため、本来不要な取引を強要されたり取引条件が歪められたりする懸念があり、申請会社にとって注意する必要性が高い取引といえます。
(出所:新規上場ガイドブック2024(スタンダード市場編)53頁以下、太字下線は弊社。)
(略)
取引条件が第三者との比較において妥当と認められる場合であっても、その取引行為の存在自体に合理性(事業上の必要性)がない場合には、ここでいうところの利益供与とみなすということです。
(略)
経営者が関与する取引(経営者自らが営業して獲得した案件・企画した案件や、例外的に経営者が決裁を行っている案件等)については、一般的に社内からの牽制が効きにくく、不正につながる懸念もあります。したがって、そうした取引に対しても組織的に検討が行われ牽制機能が発揮されるような適切な体制が整備されているかどうか、また実際に行われた取引が不適切なものでないかどうかについて確認します。
資本コストの観点を踏まえた中期経営計画策定の必要性
資料10のとおり、中期経営計画は、コーポレートガバナンス・コードにおいて重要視されています。それにもかかわらず、HSは中期経営計画を公表していないことから、すみやかな中期経営計画の策定が期待されます。
また、今後HSが中期経営計画を策定するとしても、資料11のとおり、投資家が「経営目標として重視すべき指標」と企業が定める「中期経営計画の指標」にはギャップがあり、投資家は資本コストや資本効率性を重視しているため、この点を考慮する必要があります。もっとも、中期経営計画が策定されておらず、かつHSが認識している株主資本コストの水準すら公表されていない現時点では、同社においては当該ギャップについて何ら検討がされていないものと考えられます。
さらに、株式会社東京証券取引所は、2024年1月より「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関して実施済の企業を公表しています。そして、多くの企業がこれに対応している一方で、HSは未だにその対応を行っていない状況です。
資料10:中期経営計画の位置付け
中期経営計画は単なる計画ではなく、株主に対するコミットメントのひとつだとみなされている。
【原則4-1.取締役会の役割・責務(1)補充原則4-1②】
出所:株式会社東京証券取引所「コーポレートガバナンス・コード」
取締役会・経営陣幹部は、中期経営計画も株主に対するコミットメントの一つであるとの認識に立ち、その実現に向けて最善の努力を行うべきである。仮に、中期経営計画が目標未達に終わった場合には、その原因や自社が行った対応の内容を十分に分析し、株主に説明を行うとともに、その分析を次期以降の計画に反映させるべきである。
資料11:経営目標として重視すべき指標(投資家)と中期経営計画の指標(企業)のギャップ
投資家は企業よりも資本コストやROICなどの指標を重視している。
(出所:一般社団法人生命保険協会『企業価値向上に向けた取り組みに関するアンケート集計結果(2024年度版)』7頁(2025)から弊社が作成。)
株式会社の目的と上場要否の再検討の必要性
株式会社の取締役の責務は、自身を選任する権利を持つ株主に対して、株価の値上がり益と配当で報いることです。HSの取締役におかれては、株主価値の向上という視点で、経営に臨んでいただくことに期待します。
また、それが困難な場合、非上場化することも選択肢のひとつです。株主の利益を確保した上での非上場化は取締役にとって恥ずかしいことではありません。
なお、株主価値向上のための経営方針の推進や非上場化の検討が難しい場合は、株主価値向上を推進できる取締役を招聘し、ご自身は取締役をすみやかに辞任していただきたいと存じます。
資料12:現経営陣への経営体制移行後のHSの株主総利回り(トータルシェアホルダーリターン)
株価は足元堅調であるものの期間を通してみれば未だにマイナス圏での推移であり、対指数では大きくアンダーパフォームしている。
(補足:株主総利回りとは、配当落ちの影響を控除した株価の指標です。なお、配当込みTOPIXは税引後のベースであり、HSの配当も同様に税引後に再計算して比較しています。)
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